髪がのびなかったらいいのに

雑記

あーめんどくさい。髪の毛切りに行くのめんどくさい。

切っても切ってもすぐ伸びるんです、髪の毛。

伸びなきゃいいのに。

なんか、「伸びる」以外の、もっとうまい方法で代謝してくれ。

ハゲたくはない。ハゲるのはイヤ。

せめて、もっと控えめに伸びてくれ。

1年に1cmとか。

それくらいなら許す。

1ヶ月で1cmは早すぎだろうがよ。

 

なんでこんなに髪の毛のびるのがイヤかというと、床屋が苦手なんです。

苦手どころじゃあありません。超、ニガテです。

知ってます?床屋。髪を切ってくれるところ。

美容室だとか理容室だとか。

ぼかぁ、床屋と呼んでいます。

 

なんか、髪切りながらいろいろ話しかけてくるじゃないですか、店員さん。

コミュ症気味の人間にとっては、とてもツライ時間なんです。

親しくない人と、おはなしする。

 

ぎこちない作り笑顔をうかべ、相槌をうつのが精一杯。

 

「えぇ」

「あはは」

「そうなんですか」

 

床屋に来るとぼくは、この3つの文字列だけを繰り出すbotと化します。

当然会話は途切れ、あたりには気まずい空気がただよう。

そんなことものともせずに、次から次へと話しかけてくるんです、店員さん。

 

「えぇ」

「あはは」

「そうなんですか」

 

つぶやきながら、そっと目を閉じて、寝ますよー話しかけるなよーオーラを出します。

ほらほら、目を閉じてますよー、口も半開きでアホ丸出しですよー。

よく見たら、鼻からフーセン出てない?頭のうえにzzzって出てない?

…。

そんなオーラものともせずに、次から次へと話しかけてくるんです、店員さん。

手ごわい。

ぼく、サイドをバリカンで刈り上げているんですけど、刈り上げている途中、つまりバリカンが耳元でうなっているのに話しかけてくるんです、店員さん。

バリカンは「ヴィィィィィィィイイイイイィィィィィン!!!」つって大音量でがんばっています、耳からゼロ距離で。

ぼくの耳から入ってくる音は、98%がバリカンです。

そんなこと知ったことねぇとばかりに、次から次へと話しかけてくるんです、店員さん。

2%が、98%に果敢に挑みます。

聞こえるわけがありません。

もはやアホ。

 

「あはは」

「あはは」

「あはは」

 

としか受け答えできません。何言ってるのかまったくわからないもんで。

かろうじて、「なんかしゃべってんな〜」くらいはわかります。

ウカツに「えぇ」とかいっちゃって、もし店員さんが発していた言葉が「耳切り落としていいですか」とかだったら大変です。

耳を切り落とされてしまいますからね。

そうなったら、バリカンの音さえも聞こえなくなってしまいます。

煩わしいバリカンの音も、2度と聞けないとなると、センチメンタルな気分になることでしょう。

あぁ、バリカンの音、また聞きたかったなぁ。。。

 

だから、バリカン中に話しかけられても、「あはは」しかいえないのです。

お茶を濁すしかないのです。

コミュ症に”聞き返す”なんて選択肢はございません。

ある時、新しい髪型に挑戦したくなったんですね。

短くておしゃれな髪型に。

そう、“おしゃれ坊主”とやらに。

そう、そんなこと伝えられるはずがありません。

そう、ぼくはコミュ症なのです。イェイ。

「いつも通り、、あっ、いつもより短めで。」

かろうじて、こう伝えることができました。

そして、

 

「えぇ」

「あはは」

「そうですね」

10時間にも感じられた1時間を耐えしのび、目の前の鏡にうつったのは…。

 

いつもと変わらぬ長さの髪の毛をたずさえた自分の姿でした。

 

〜完〜

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