「君の膵臓をたべたい」で有名な住野よるさんの新作小説が出ました。
タイトルは麦本三歩の好きなもの。
これはまた個性的なタイトルですね。
すっかり住野よるさんのファンとなったぼくは、即購入して読みました。
平凡な20代の働く、「麦本三歩」というちょっと変わった名前の女性の日常を描いた小説です。
心がほっこりとするような作品でした。
麦本三歩には好きなものがたくさん

「麦本三歩の好きなもの」では、とくに事件も起きませんし謎もありません。
麦本三歩は図書館で勤務する20代の女性。
根は真面目だけど空回りも多く、よく噛んでしまう。
愛嬌たっぷりの愛されキャラ。
そんな人物。
朝寝坊、チーズ蒸しパン、ラジオ、お菓子、本。
麦本三歩の日常には好きなものがあふれています。
仕事場にも好きな先輩はいますが、苦手な先輩も。
そんな先輩たちに振り回されたり振り回したりして、麦本三歩の日常はつづきます。
「キミスイ」のような衝撃の展開はない

麦本三歩の好きなものには「君の膵臓をたべたい」「また、同じ夢を見ていた」などのお話のような衝撃的な展開はありません。
ただひたすら麦本三歩の日常が描かれているだけです。
仕事して、アホな妄想をして、美味しいものを食べて、時にはズルをして、時には恋なんかも。
衝撃な展開を期待していた人にはちょっと物足りないかもしれませんね。
全部で12の章に分かれていて、それぞれで麦本三歩の好きなものとともにちょっとしたエピソードが展開されます。
好きなものに触れてご機嫌だったり、怖い先輩が実は怖くないんじゃないか?という出来事があったり…。
とにかく終始ほっこりします。
日常小説というのもたまに読むとおもしろい

ぼくは基本的にミステリーやサスペンスなど、ハラハラする刺激のある小説を好んで読みます。
でも、たまには「麦本三歩の好きなもの」のような日常小説を描いたものを読むのもおもしろいですね。
ただただほっこりして、20代の女性はこんなこと考えてるのか〜なんて思ってみたり。
ぼくも結構、妄想をするタイプなのでちょっと三歩の気持ちがわかったりしますね。
疲れていたり心がよどんでしまっているなぁと感じている人、ぜひ麦本三歩の好きなものを読んでみては??